脳に効くスロージョギング

脳に効くスロージョギング(13)

「仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング」<久保田競(京都大学名誉教授)田中宏暁(福岡大学身体活動研究所所長)共著。角川SSC新書>を読みました。

脳(特に前頭前野)研究の第一人者(大脳生理学の世界的権威とウィキペディアには書かれています。)という久保田教授の記述は、思わず「え~?!」と叫んでしまいそうなこと満載でした。

スロージョギングによって、脳のある部位(前頭前野や海馬など)が大きくなったり、機能が回復したり、活性化し働きが良くなることが、近年の脳科学研究で証明されてきたことが書かれています。

前頭前野は、「脳の最高司令部」なので、スロージョギングによって、計画性、判断力、決断力など、仕事に必要なあらゆる能力が向上することが説明されています。

海馬への好影響によって記憶力も上がり、ドーパミンなどの放出によってやる気も出、自律神経の調整によって質の良い睡眠を得られ、BDNF(走ることによって出る脳由来神経栄養因子)などの物質の放出によって脳を保護し、脳細胞の増殖を促進し、シナプスを伸ばす助けをし、ストレスによるダメージから脳を守る、等々と続きます。

認知症(アルツハイマー病など)やうつ病の予防だけでなく、治療(認知症の場合は、進行を遅くしたり、症状を改善)にも効果があると書かれています。
経験的に『そうだろう』とは思っていましたが、既にわかっていることだったんですね。

何歳からでも脳は鍛えられます
そして、スロージョギングは、今日からでもはじめられます。
3週間続ければ、必ず効果が現われます。」
(久保田競(京都大学名誉教授)P.52)

田中教授は、(初心者に)まず15分間走ることを勧めています。
続けていれば、誰でも徐々に30~60分楽に走れるようになります。
田中教授によると
<早い人なら1週間、遅い人でも3週間続ければ、必ずなんらかの成果を実感できます。
「だまされたと思って」という言葉がありますが、まさに「だまされたと思って」やってみてほしい
そして走ることでどのくらい頭が良くなるのか、どれくらい体調が良くなるのかを知ってほしい。一人でも多くの人に実践してもらい、健康で仕事のできる、より良い人生を過ごしてほしい。>
(田中宏暁 P.54~55)

本の中には、更に脳に効果的な走り方などが詳しく書かれています。
(1例:脳のためには30分以上続けて走る方が良いようです。P.163から。
減量には、10分×3回も5分×6回も1分×30回も変わらないそうです。)

スロージョギングに関する今までの記事は、こちら。
2012年1月14日の田中教授による「スロージョギング健康法体験講座」(無料)の案内は、こちら。

追記:2012年1月15日号の「サンデー毎日」の記事<快食療法で「疲弊脳」からストレスがみるみる消える>にも久保田教授のジョギングの話が載っています。

追記:この本の内容は我が家でも話題に。子供「そこまで言っちゃうと、逆に”眉唾”と思われちゃうんじゃないの?」。夫「(私の「頭、良くなった?」の質問に)腹が凹んだだけで十分だ」。(夫は、長年出ていたお腹が平になりました。)私自身は、脳が劇的に変わったと実感していますが、記憶力に関してはよくわかりません。よく物忘れしますが、走っていなかったら更にそれがひどくなっていたということでしょうか?
追記:記憶力アップなどの効果を感じるには、半年以上続けなければいけないそうです。(2012年1月16日の「あさイチ」より。)私たちは、まだ半年経っていませんでした。